4月1日よりクラウドファンディング「『おてらnaマステ』を製作して、仏教的あそびツールを弘めたい!」への挑戦が始まりました(以下、クラファン)。ご興味・ご関心を持っていただき、ご支援を賜われましたら幸甚です。(クラファンはこちらから⇒https://readyfor.jp/projects/otera-na-maste)
さて、クラファンでの投稿と並行してこちらのWebサイトでも、『おてらnaマステ』に携わるメンバーへのインタビューをお伝えしていきたいと思っています。最初の投稿となる今回は、鳳凰ボードのデザイナーであり、消しゴムはんこ作家である麻田弘潤さんへのインタビュー(前半)をお届けします♪
ーー麻田さん、こんにちは。鳳凰ボードのデザイン、本当にありがとうございました!今日もよろしくお願い致します♪
よろしくお願いします。『おてらnaマステ』も届きましたよ♪
ーーありがとうございます、無事に着いてよかったです!『おてらnaマステ』の鳳凰ボード、鳳凰ボードを手にされてみて如何でしょうか?
印刷会社さんによっては発色が変わってしまうこともあるんですが、だいたいイメージ通りにできたと思います。事前に送ってもらった印刷のサンプルも色味のイメージの役に立ちました、ありがとうございます。
ただ、もう少し繊細にグラデーションが出たら、なおよかったなとも思います。スキャンの段階でも色味が変わってしまうので、難しいところです。
ーーなるほど……。消しゴムはんこを完璧にデジタルで表現することは難しいのですね。このグラデーションは、押すときに色付けされるんですか?パソコン上で色付けをされるんですか??
グラデーションは、消しゴムはんこを押すときに作ります。事務作業に使うような大きなスタンプ台ではなく、こういった小さいインクを使ってトントンと色付けしていくんです。部位によって色を変えるなど、いろんな表現をしていきます。
ーーあれっ、その鳳凰、体しかないですね!?
そうなんです(笑)消しゴムはんこはハガキサイズしかないので、体、尾、目…というように、いくつかのパーツにわけて作っています。
ーー大変な作業だったのですね(涙)
いえいえ(笑)絵が決まってしまえば、彫るのも押すのも難しくはないんです。ただ、こういうものにしようという絵が決まるまでが大変……。今回はマスキングテープを貼っていくということだったので、その場所をどういったものにしようかというのが一番の悩みどころでした。間隔が狭いと貼ったときに重なってしまうでしょうし、かといって広げすぎるとバランスが悪くなりますし。難しいところでしたが、ある程度余裕を持って貼れるように意識して、今の形になりました。
ちなみにですが、僕は直線を書くのが苦手なので、彫ったほうがきれいな線になります。なので、絵が完成しても、必ずしもその通りにならないというのが、消しゴムはんこでもありますね(笑)
ーーまだ名前も何も決まっていない状態でお声を掛けさせていただいたときから、より良いものにとずっと考えてくださっていたのですね。最初に声を掛けられたときや打ち合わせのとき、正直、どんなことを思われていましたか?
面白いんじゃないかなと思いましたよ!ただ、マステの構造的に大丈夫なのかな?とも思いました。細かい細工はしにくいだろうなと。それを解決するためにはどうしたらいいかなとは、最初から考えてました。
また、作りたいもののイメージを聞いて、マスキングテープを色々な人が貼ることもあるのなら、貼る場所や貼り方がわかりやすいデザインのほうがいいかなとも思いましたね。仏さまの絵が真ん中にドーンとあって、その周りを彩ろう!となると、「どうしたらいいんだろう?」となりそうだなと。そうしたことから、鳳凰を提案させてもらいました。
ーーもともとは「お浄土」をイメージして、仏さまを真ん中に。その周りに蓮などを描いて、その蓮を塗り絵的な間隔でマスキングテープをちぎはりしていく……ということをお話させていただいたんですよね。
そうそう。でも、実際に試してみたら、すごく難しいという……(笑)
ーーハサミなどを使わずに遊べるようにと思っていたので、それが難しいのなんのって……「どうしたらいいでしょうか?」と麻田さんに相談させていただきました。「面白い」と思っていただけていたということ安心しました。
ーー『おてらnaマステ』のマスキングテープは、如何でしたか?
本堂にある装飾をモチーフにしたと聞いていたので、「本堂にこんな装飾があるんだ……」と思わずびっくりしました。すごいですね(笑)
また、黒かったり金箔が入っていたりするマスキングテープは、あんまり見かけないので珍しいなと。いい意味で、思っていたよりも渋い、本格的だなって思いました。ボードに貼って使うということなので、色をとるにはいいと思いますっ♪
ーーこれから先、どんな風に遊んでいただけるかなと思うと楽しみです。『おてらnaマステ』は「仏教的あそびツール」という位置づけで作らせていただいていますが、麻田さんご自身は、消しゴムはんこをワークショップに取り入れていらっしゃるんですよね?
始められたきっかけやワークショップの内容など、お聞かせいただけますか?
僕が消しゴムはんこを始めたのは、2007年でした。2006年10月23日の中越地震のあと、お寺で「極楽パンチ」という復興イベントを開催したんです。昼は境内でフリーマケット、夜は本堂でライブという形だったんですが、その「極楽パンチ」の2年目に、スタッフもフリーマケットでブースを出すことになりまして。エコバックが注目されていたので、無地のトートバックを買ってきて、そこに消しゴムはんこを押して、オリジナルエコバックにして持ってかえってもらおうとなりました。
それで僕も彫ってみたら、意外と彫れたっていう(笑)。みんなからの素直なリアクションも、嬉しかったです。そこからはまって彫り出しました。
※極楽パンチ:https://www.facebook.com/%E6%A5%B5%E6%A5%BD%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%81-293438204037582/
ーーなるほど……。そこが消しゴムはんこのワークショップの原点なんですね?
趣味の領域だった消しゴムはんこが僕のなかで変化したのは、2011年の東日本大震災がきっかけです。仮説住宅が出来た頃、災害ボランティアとして物資の配布場所の隅で消しゴムはんこを作っていたんです。「犬つくって」「どんな犬ですか?」「(描いてみて)こんな感じ……?」「……下手ですね(笑)」なんていうことを話しながら。
消しゴムはんこは30分くらいかかるので、その間はおしゃべりタイムになるんですが、ちょっと話していると数人が集まってくる。すると、そこに会話が生まれる。そうして話しているうちに、「実はね……」と、そこにいる誰もが知らなかった話が出てきたんです。もうみんなびっくりしてしまって。「聞いてないよ、知らなかったよ」という声も上がったんですが、「みんなそうだから」とこれまでは話せなかったんだそうです。
ーー消しゴムはんこを通して、話せなかったことがポロッと話せた、と。
消しゴムはんこは作って押してなんぼ、というものではあるけれど、実はコミュニケーションツールになるんじゃないかと、そこで気付きました。それまでは僧侶の格好で消しゴムはんこを作ることはなかったんですが、僧侶として活用できないかなと思うようになったんです。
ーー「彫りながら話す」というスタイルも、ポイントですか?
そうですね。消しゴムはんこを作るとき、僕もですが、みんな目線が下がるんです。彫っている消しゴムを見るので。互いに目を合わせないからこその話しやすさがあると思っています。
ーーそうして始まった消しゴムはんこのワークショップを実際にされてみて、如何でしたか?
「諸行無常ズ(※)」というユニットで消しゴムはんこのワークショップをしているんですが、みんなWinWinな良い形が出来ました。会場となるお寺さんにとっては、今までお寺に来られたことのなかった層が来られるようになる。相方の津久井さんにとっては、全国各地にいるファンと会える場づくりとなる。僕にとっては、消しゴムはんこを通して、仏教という教えや考え方を伝えられる場となる。上手にはまった感じです。これまでに、北は帯広、南は指宿まで行かせてもらいました。
※諸行無常ズ:https://shogyomujoz.com/
<麻田さんへのインタビュー(後半)へ、つづく>
(次回は、消しゴムはんこのワークショップについてより詳しくお尋ねしていきます!)
(クラウドファンディング「『おてらnaマステ』を製作して、仏教的あそびツールを弘めたい!」はこちらから⇒https://readyfor.jp/projects/otera-na-maste)