
「ジャータカ」
それはお釈迦さまの前世の物語
Presented by
HIROMARU PROJECT


- もくじ -
「ジャータカ」ってなぁに?
お釈迦さまには前世の物語がたくさんあります。
たくさんの前世の物語(本生経・本生譚)は
「ジャータカ」と呼ばれます。
『イソップ物語』などに影響をあたえ、
『今昔物語』の「月のウサギ」は特に有名です。
もっと知りたい!「ジャータカ物語」!
仏教はひとりでに伝わりゆくものではありません。仏教が遠くインドから日本にまで伝わったのは、その過程において多くの人間のはたらきがあったからです。
僧侶はもちろんのこと、為政者や裕福な商人、芸術家や建築家、そして一般民衆など、仏教に大きな価値を認めた人たちがいたればこそ、仏教は広まっていったのです。
古代社会にあっては、「語り」が重要な役割を果たしました。とりわけ古代インドは説話(物語)の宝庫でした。
民間に流布していた伝承を仏教が巧みに取り込み、仏教独特の「語り」が成立していったのです。ジャータカはその典型でした。
お釈迦さまがこの世に生まれる以前の前世の物語、それがジャータカです。前世のお釈迦さまは菩薩と呼ばれます。
ジャータカはインド文化を特色づける輪廻転生の考え方を基盤にしていて、ジャータカによれば過去世において菩薩はさまざまな生を経ています。
人間だけでなく、サルやウサギといった動物、ときには鬼神である場合もあります。菩薩が主役である事例がもちろん一番多いのですが、ときに菩薩が脇役でもある例もあります。
ジャータカは、慈愛の大切さや徳の高い人物のあり方を教える内容からエロティックな内容まで、実に多種多様です。
特権階級を批判したり、平和の尊さを説くものがあったり、子どもにもわかる教訓話があったりと、内容の豊富さには驚かされます。
世界に伝わる昔ばかしや伝説とも関連を有していて、『イソップ物語』や『アラビアンナイト』などとも対比検討がなされています。比較文学のうえでも、ジャータカは重要な資料なのです。
ジャータカの幾つかの物語は漢訳経典を通じて、日本にももたらされました。『今昔物語』の「月の兎」の話は特に有名です。
入沢 崇『ジャータカ物語』(本願寺出版社)より
ジャータカルタのはじまり
カルタという遊び
カルタは、「誰でも」の遊びです。
年齢・性別・健康状態、工夫をすれば言葉の壁も越えていける、そんな遊びです。
そんなカルタを、仏教を題材として作れたなら!
- 遊びながら自然と仏教に触れられる
- 会話のきっかけにもなる
- 昔ながらの遊びにもであえるツールとなる
- 大きく印刷して座布団等に1枚ずつ貼り付けてのBIGカルタ大会ができる
現場での新たな遊びの開発にもつながるのではとの想いから、『ジャータカルタ』という企画が始まりました。

カルタを開発するために、お釈迦さまの前世の物語「ジャータカ」を読み進めていると、そこには大切なことがたくさん説かれていることに気づきました。
- 人に優しくすること、嫌がることはしないこと
- 見返りを求めないこと、善い行いをすること
- 悪い行いはやがて自分に返ってくること
それらは私たちが忘れかけていたもののように思えたのです。
「ジャータカ」に登場するサルや象などの動物たち、王さまや商人、木や花。
色々な存在が私たちに伝えようとしていることは、「わたしの生き方」でした。

お釈迦さまは臨終の間際、お弟子のアナンに言いました。
自らを灯火とし 法を灯火とせよ
(自灯明 法灯明)
人に優しくすること、善い行いに努めること、欲に身を任せないこと、愛に執着しないこと。
お釈迦さまの教えを規範としながら、それを実践する自分自身を灯火とする。
それは、やってはならないこと、言ってはいけないことを時にしてしまう自分だけれども、大事なことを守ろうとしてきた自分自身に励まされ、支えられ、照らされていく。
そんな私たちの生き方を、お釈迦さまは最後の説法として伝えてくださったのではないでしょうか。
私の教えを灯火として生きてほしい。
そして自分自身を灯火としてほしい。
あなたの人生という道を照らす灯火に。
お釈迦さまが教えを説かれてから、およそ2500年。
教えは途切れることなく、時代や状況が変わっても大切に伝え続けられてきました。
社会が目まぐるしく変化する今だからこそ、その教えにもう一度耳を傾けられたら。
- お釈迦の教えに触れてもらいたい
- 心の片隅にお釈迦さまの物語が残ってほしい
- いつかそれが少しでも人生の支えになれば
いつ花が咲くかわからないような、そんな壮大な種蒔きをカルタではじめたいと思ったのです。

ジャータカルタを見てみよう!

ジャータカルタの一部をご紹介!








ジャータカ物語
カルタの読み札にQRコードを記載し、その先には詳しいジャータカ物語を載せる予定です。
お釈迦さまの物語、仏教の世界にぜひ触れてみてください。
ジャータカルタの人たち
ジャータカルタに関わってくださった方々を紹介します。
イラストレーター:釈迦里呼(しゃかりこ)


ジャータカルタのイラスト全てを担当してくださったは「釈迦里呼」さん!!


「釈迦里呼(しゃかりこ)」
三重県四日市市の浄土真宗明円寺の橋本健人さん・りえ子さん夫婦によるのイラストアートユニット。
作品の制作では、健人さんがイラストや消しゴムはんこを手掛け、りえ子さんが似顔絵やポスター・看板にアートを手掛ける。
主にふたりの共同作業で制作される。